#02 スクリュードライバーのレシピ〜カクテルをネジまわしで作っていた?〜

#02 スクリュードライバーのレシピ〜カクテルをネジまわしで作っていた?〜

本テーマは元バーテンダーが、培った知識や経験を基にお酒の歴史や飲み方、カクテルの作り方などを紹介しています。また、疑問などにも対応していきますので、コメント欄にメッセージを頂けたらと嬉しいです!では参りましょう!

今回ご紹介するカクテルは『スクリュードライバー』。ロングカクテルを代表する一杯ですね。少し前から缶カクテルとしても販売されるようになり、中身はどんなものが入っているか知らないにせよ、名前だけは誰でも知っているカクテルだと思います。

このスクリュードライバーのレシピから合う料理、誕生の歴史を紐解いていきます!

レディーキラーとの蔑称がつけられる程、スムースな飲み心地のスクリュードライバー

皆さんは『レディーキラー』という言葉をご存知ですか?この言葉は飲み口の良いカクテルの別名なんです。アルコールが弱い女性にジュースの様に飲みやすいカクテルで酔わせてどうにかしちゃおうって輩が付けた名前なんですね。

元バーテンダーから言わせれば、男なら酒の力なんか借りずに、自身の魅力でなんとかしろと言いたいですね。素敵なカクテルを汚すなと。

スクリュードライバーもレディーキラーに該当するカクテルですが、裏を返せばそれだけ美味しく、飲みやすいカクテルってことになりますね。これだけ飲みやすいカクテルはどんなレシピで出来ているのでしょうか?

スクリュードライバーのレシピ

カクテルデータ

  • カクテルタイプ:ロングカクテル
  • 作成技法:ステア
  • ベース:ウオツカ
  • アルコールの強さ:★★★☆☆
  • 色合い:黄色
  • 炭酸の有無:無し
  • 味わい:オレンジの爽やかな香りと酸味が特徴。ニュートラルなウオツカをベースにしてる為、アルコール感があまり無く非常に飲みやすい。

材料

  • VODKA(ウオツカ)・・・30ml ※1
  • ORANGE JUICE(オレンジジュース)・・・full up
  • FRESH ORANGE(オレンジ)・・・1/12カット
  • 氷・・・適量

※1 濃いめの分量であれば45ml

必要な道具

  • タンブラーもしくはコリンズグラス(ゾンビグラス)
  • バースプーン
  • ペティナイフ
  • まな板

作り方の手順

オレンジを1/12にカットする。この時、オレンジの房と平行になるようカットする向きに注意する。また、グラスに挿せるように果肉と果皮の間に切り込みを入れておく。

タンブラーに氷を入れられるだけ入れ、バースプーンでステアをしてグラスをよく冷やす。

ウオツカを30ml(濃いめが良ければ45ml)注ぐ。

オレンジジュースを適量注ぐ。目安としては6分目くらい。バースプーンをグラスの底まで挿し、しっかりと円を描く様に回転させ混ぜ合わせる(ステア)。

氷が少なければ足し(目安は7~8分目くらい)、1のオレンジをグラスの縁に挿し、完成。

↓ 動画も制作しています!オレンジの切り方やスクリュードライバーの作り方を詳しく紹介しておりますので下記をチェックしてみてください!

元バーテンダーが、美味しくなるちょっとしたコツとか色々教えちゃいます!

バーテンダー時代に学んだ美味しいスクリュードライバーを作るためのコツを伝授します!守って欲しいポイントは次の3つ。

  • オレンジジュースには気を使って。出来合いの物であれば100%果汁の物を、可能であれば、手絞りの自家製オレンジジュースが良い。
  • 氷を入れた後、時間が経つと溶けた水が出るのでモタモタしないで作る。グラスを氷で冷却した後はしっかりと溜まった水を捨てる。
  • 冷やせるものはグラスも含め、全て冷やす。ウオツカは冷凍庫で霜が付く位キンキンに冷却する。

スクリュードライバーに合う料理は?

スクリュードライバーはオレンジジュースを使っているため、比較的酸味よりも甘みが多いカクテルです。また、シトラス系の爽やかな香りもあるので、こってりした肉料理との相性が良いと思います。ワインが苦手な方はメインの肉料理と合わせるとちょうど良いドリンクではないでしょうか。

以上のことから、私がオススメする料理はビーフストロガノフです。味わいはもちろん重要ですが、生まれた場所の合わせも重要です。この料理の発祥はロシア、そして、スクリュードライバーのベースのウオツカの発祥もロシアなので合わないはずはないですよね。

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スクリュードライバーはどこから来たのか?

皆さんはスクリュードライバーと言うカクテルがなぜそのように名付けられたのかご存知でしょうか?『スクリュードライバー』は日本語だと『ネジまわし』という意味になりますが、どうしてそうなったのか、その由来や歴史を考察を交えご紹介したいと思います。

これでカクテルを作るのは勇気がいるなぁ・・・

その昔、イランの油田で働くアメリカ人技師によってスクリュードライバーは誕生しました。このカクテルの名前は工具に関係していて、手元にあったウオツカとオレンジジュースをマドラーの代わりにして、即席で油田での作業で使っていたスクリュードライバー(ネジまわし)で混ぜ合わせたことに由来するそうです。

油田の汲み出し

ここで私がすごく気になったのは、『なぜ手元にウオツカがあったのか?』です。ウオツカ関して言えば、ロシア国外で初めて製造・販売を始めたのは1917年のロシア革命以後。

アメリカ初の国産ウオツカ『スミノフ・ウオツカ』が製造されたのが1933年以降。そして、スクリュードライバーが欧米で知られる様になったのが1930年代、レシピが生まれたのはそれよりもさらに早い。

とすると、スクリュードライバーを考案したとされるアメリカ人技師にとってウオツカは身近ではなかったはず。

では、なぜ本国でほとんど知られていないウオツカを使うという発想に至ったのでしょうか。皆さんはなぜだと思いますか?ここに関して私は2つの可能性を考えました。

まず、一つはスクリュードライバーを作ったアメリカ人技師が東欧系、若しくは東欧からの亡命者だったので、お酒といえばウオツカか当たり前であったから。

もう一つはロシアは以前からイランに対し様々な形で関与をしていた為、東欧系の文化が入ってきており、イラン国内ではウオツカが一般に流通していたという事が考えられます。あくまで可能性であり真実はわかりませんが、なんとなくスクリュードライバーから、社会主義の香りがしてきます。

もしかしたら、オレンジジュースは黄色いバレンシアオレンジではなく、真っ赤なブラッドオレンジで仕上げたほうがカクテルのトータルデザインとしては完成するのかもしれませんね。

真っ赤な果肉のブラッドオレンジ

ちなみに、今回のテーマである私たちがよく知る『スクリュードライバー』は、もともと『ゴールデン・スクリュー』という名前のカクテルで、本来の『スクリュードライバー』はショートカクテルでした。

ウオツカとオレンジジュースを使っている事には変わり無いのですが、比率が全く異なり、ほとんどウオツカでオレンジは風味づけ程度だったそうです。この話を聞くと『なるほど、アルコールに強い東欧系の人が作ればそんな比率になるよな〜』と妙に納得しまいます。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか?今回はスクリュードライバーについてレシピを中心にご紹介しました。ウオツカとオレンジジュースというシンプルなレシピながら、誕生した背景には国同士が関わる深い歴史があるように思えます。

カクテルはこういう奥深いストーリーがあるから好きなんですよね。入れ替わってしまった『ゴールデン・スクリュー』についてはまた今度ご紹介しましょう。

作り方などの疑問・質問はコメント欄によろしくお願いします!ではでは、また次の記事でお会いしましょう!

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