本記事は元バーテンダーが、培った知識や経験を基にお酒の歴史や飲み方、カクテルの作り方などを紹介しています。また、疑問などにも対応していきますので、コメント欄にメッセージを頂けたらと嬉しいです!では参りましょう!
今回ご紹介するカクテルはシャンパンとオレンジを使ったカクテル『ミモザ』。キールロワイヤルやベリーニなどのシャンパンカクテルに並び、女性に大人気の洒落た一杯です。このミモザのレシピからピッタリの料理、誕生の由来を紐解いていきます!
ミモザはお酒が苦手でも飲みやすいカクテル
ミモザはカクテルの中でも比較的アルコール度数の低いグループに入ります。アルコール度数13度前後のシャンパンをオレンジジュースで1対1に割る為、ビールと同じくらいか、少し高いくらいになります。また、炭酸も弱くなり非常に飲みやすくなるので、パーティなどのウェルカムドリンクとして提供される事多いカクテルになります。
このカクテルは2種類の材料を割るだけなので誰が作っても味わいに差は出ません。もちろん、使用する材料が同じという条件でですが。つまり、材料にこだわれば誰でも美味しいミモザを作る事ができるのです。では早速、ミモザのレシピを見てみましょう!
ミモザのレシピ

カクテルデータ
- カクテルタイプ:ロングカクテル
- 作成技法:ビルド
- ベース:シャンパン
- アルコールの強さ:★★☆☆☆
- 色合い:黄色
- 炭酸の有無:有り
- 味わい:華やかなシャンパンの香りと細やかな泡、オレンジの抑えた甘さがベストマッチ。
材料
- CHAMPAGNE(シャンパン)・・・1/2
- ORANGE JUICE(オレンジジュース)・・・1/2
必要な道具
- シャンパングラス(フルートグラス)
- バースプーン
作り方の手順
- シャンパングラス(フルートグラス)にオレンジジュースを注ぐ。
- 1にシャンパンを静かに注ぐ。
- 最後にバースプーンで軽くビルドし、完成。
上記のレシピの材料を一部変更する事で出来るカクテル
- ホワイトミモザ:オレンジジュース→グレープフルーツジュース
- イタリアンミモザ:オレンジジュース→ブラッドオレンジジュース
元バーテンダーが、美味しくなるちょっとしたコツとか色々教えちゃいます!
バーテンダー時代に学んだ美味しいミモザを作るためのコツを伝授します!守って欲しいポイントは次の3つ。
- オレンジジュースには気を使って。市販の物であれば100%果汁の物を、可能であれば、手絞りの自家製オレンジジュースが良い。
- 氷を使わないので、シャンパン、オレンジジュースは可能な限り冷やす。
- 上記のレシピの順番で注ぐ、逆にするとシャンパンの泡が吹いてしまうので注意する。
ミモザに合う料理は?

シャンパンの特徴を継いでいるミモザは食前酒として最高ですし、料理と合わせるならシャンパンと同じ立ち位置で良いでしょう。コースでいえばアミューズ、前菜あたりとの合わせがベストです。私のオススメはカプレーゼです。トマトの酸味とモッツァレラチーズのフレッシュなクリーミーさがさっぱりとしたミモザにマッチします。
関連するカクテル
貴族に愛された最も贅沢なオレンジジュース、その名はミモザ
ミモザと言う名前の由来は黄色い花を咲かす植物『ミモザ』からだそうです。黄色い可憐な花の色が、シャンパンとオレンジを使ったカクテルの色とそっくりだったからだとか。

ですが、私は花の色だけでは無いと思うのです。色だけなら他のものでも連想できるので。私が思うに、これは色だけでなく、シャンパングラスを含めてのものだったのでは無いでしょうか。
柄の長いシャンパングラスに注がれたミモザ色のカクテル、そのカクテル全体を見て『まるでミモザの様だ!』と命名したのではないかなと思っています。
では、ミモザはいつどこで生まれたのでしょう?それは第一次世界大戦の混乱から徐々に平静を取り戻してきた1925年のフランス、パリの5つ星ホテル『リッツ・パリ』のメインバー『リッツバー』で誕生しました。
リッツ・パリ 公式サイトによると、このリッツバーは1921年に文豪ヘミングウェイなどパリに移住した文化人らが、陽気に過ごせるバーが欲しい請願した事で誕生したそうです。
ヘミングウェイの小説『陽はまた昇る』が1926年に発表されていますから、もしかしたら当時、ミモザを飲みながら物語の構想を練っていたかもしれませんね。
さて、このミモザですが、もともとは『シャンパーニュ・ア・ロランジュ(シャンパンとオレンジの意)』という呼び名で、19世紀頃のフランスの上流階級の間で飲まれ、贅沢なオレンジジュースとして愛されていたそうです。
上流階級のマナーとしてゲップ防止のためにシャンパンのバブルカットを行う事が現在でも残されております。泡が強いシャンパンをオレンジジュースで割ると微炭酸になるので、バブルカットをせずに飲めることもミモザが愛飲された要因だったのではないでしょうか。
それを裏付ける説として、シャンパンをジュースで割ると言う飲み方が生まれたのは、シャンパンを試飲した女性がメーカーに『泡が強すぎる』と指摘した事がきっかけで、担当者はその場でオレンジを絞りシャンパンに注いだと言う話があります。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか?今回はスタンダードなミモザのレシピを中心にその由来についてご紹介しました。ミモザが誕生したきっかけは文豪ヘミングウェイら文化人の『ここにリッツバーを作れ!』と言う願いだったのには驚きですね。
シャンパンやオレンジジュースにも様々な種類があります。簡単なカクテルなので、色々組み合わせて自分だけのミモザを作ってみませんか?
作り方などの疑問・質問はコメント欄によろしくお願いします!ではでは、また次の記事でお会いしましょう!