#05 キールのレシピ〜ワインPRの為に市長の名前をカクテルに付けた?〜

#05 キールのレシピ〜ワインPRの為に市長の名前をカクテルに付けた?〜

本記事は元バーテンダーが、培った知識や経験を基にお酒の歴史や飲み方、カクテルの作り方などを紹介しています。また、疑問などにも対応していきますので、コメント欄にメッセージを頂けたらと嬉しいです!では参りましょう!

今回ご紹介するカクテルは白ワインとカシスリキュールを使ったカクテル『キール』。数あるワインカクテルの中で一番有名なカクテルです。

このキールのレシピからピッタリの料理、誕生の由来を紐解いていきます!

白ワインのスッキリさとカシスリキュールの甘さを両立させたアペリティフ、その名はキール。

世界的に有名なカクテル『キール』は食前酒の代表格とされています。食前酒とは元来、食事の前に胃を活発にするために飲むものでした。

その為、アルコール度数が高いものやハーブ系で苦味のあるもの、辛口のシャンパンの様な刺激があるものが良いとされました。

しかし、ドライで刺激のある食前酒が苦手という人も少なからずおり、そういった人たちを中心にフルーティーな甘さで飲み口の良いキールが徐々に食前酒の代表になっていったのだと考えられます。

このカクテルは白ワインとカシスリキュールというシンプルな構成ですが、配分によって辛口にも甘口にもなります。

カシスが多いと白ワインの風味が消えるし、白ワインが多いとカシスの風味が消えてしまう、バランスが命の意外と難しいカクテルです。では、そんなキールのレシピを見てみましょう!

キールのレシピ

カクテルデータ

  • カクテルタイプ:ロングカクテル
  • 作成技法:ステア
  • ベース:白ワイン
  • アルコールの強さ:★★★☆☆
  • 色合い:ルビー色
  • 炭酸の有無:無し
  • 味わい:白ワインのスッキリとした酸味とカシスのフルーティーな甘さがちょうどいいバランスのカクテル

材料

  • WHITE WINE(白ワイン)・・・4/5 ※
  • CASSIS LIQUEUR(カシスリキュール)・・・1/5 ※

※上記のレシピは標準的なものです。好みに応じてバランスを変えてみてください。

必要な道具

  • ワイングラス
  • バースプーン

作り方の手順

  1. ワイングラスにカシスリキュールを注ぐ。
  2. 1に白ワインを静かに注ぐ。
  3. 最後にバースプーンで軽くステアし、完成。

上記のレシピの材料を一部変更する事で出来るカクテル

  • キールロワイヤル:白ワイン→シャンパン
  • マルキ:カシスリキュール→フランボワーズリキュール
  • キールカーディナル:白ワイン→赤ワイン(ボジョレー)
  • キールブルトン:白ワイン→シードル(ブルターニュ産)

元バーテンダーが、美味しくなるちょっとしたコツとか色々教えちゃいます!

バーテンダー時代に学んだ美味しいキールを作るためのコツを伝授します!守って欲しいポイントは次の3つ。

  • カシスは濃いタイプ(クレームドカシス)を使用する。
  • 可能であれば白ワインは未開栓のものを使う。
  • 氷を使わないので、白ワイン、カシスリキュールは可能な限り冷やす。

キールに合う料理は?

キールは食前酒の代表格とされていますので、食前酒として飲むのがベストです。白ワインの様に魚介に合わせるのは少し難しいかもしれません。味わいの系統的に赤ワインに近いので、魚介だと匂いやエグ味が強調されます。かといって肉料理などの重たいものだと力不足になります。なので赤白どちらにも合う様なチーズ、ドライフルーツなどが良いと思います。

私のオススメはクリームチーズとドライイチジクの和え物です。蜂蜜を上からかけて食べたら、キールとの相性は抜群。

関連するカクテル

フランス、ディジョン市の農産物のためのPR活動の結果出来たのがキールだった?

キールは、ディジョン市の市長『フェリックス・キール』が考案したカクテルです。キールの誕生は第二次世界大戦後、キール氏がディジョン市長に当選してからだとされていますが、1945年にはすでに考案されていたのではないかという話もあるようです。

パーティーの定番の食前酒『キール』

第二次世界大戦でフランス、ブルゴーニュ地方にもかなりの被害があり、特産のワインの出荷が大幅に減少したことが、キールの誕生に強く影響したと言われています。。

というのも、キール氏が市長を務めていたディジョン市はブルゴーニュを代表する都市であり、ワインの一大生産地であるブルゴーニュでワインが売れないのと地元の経済に大打撃を与えるので、市長としてなんとかワインの売れるようにしたかったのです。

そのための政策としてカクテルを使った地元ワイン(農産物)のPR活動を行いました。

その内容はブルゴーニュ地方特産のアリゴテ種を使用した辛口白ワインとディジョン市特産のカシスリキュールを使用したカクテルを考案し、普及させることで地元のPR活動に繋げるというものでした。

延いてはブルゴーニュ地方全体の農業振興に繋げようと考えていたようです。

ブルゴーニュのワイン畑

そして、このカクテルを普及させるためにディジョン市公式歓迎会(レセプション)では必ずキールを供するようになり、いつしかこのカクテルは市長の名前にちなみ『キール』と呼ばれるようになったそうです。

このキール氏はディジョン市の市長になる前からも名の知られた人物でした。彼は第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに対抗するフランス・レジスタンスの反戦運動のリーダーであったので 、人一倍祖国を思っていた人物だったと思います。また食通でもあったそうです。

大好きな食を通じて祖国を、地元を復興しようという気持ちの結晶がカクテル『キール』だったのではないでしょうか。

ちなみに、日本でクレーム・ド・カシスの販売量が伸びるきっかけとなったのは、このカクテルが流行したことによります、これがなければ、カシスオレンジやカシスグレープ、カシスウーロンといった若者に好まれる居酒屋の定番カシス系ドリンクも存在しなかったわけです。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、スタンダードなキールのレシピを中心に、その由来についてご紹介しました。キールが誕生したきっかけは、第二次世界大戦の被害で祖国を憂う一人の愛国者の強い気持ちでした。

キールはシンプルな材料で誰でも手軽に作れるカクテルです。ですが、今度どこかで飲む際には愛国者であり、食通であったキール氏の事を頭に浮かべると、シンプルなキールがなんとも複雑で味わい深いものに思えてくるのではないでしょうか。

作り方などの疑問・質問はコメント欄によろしくお願いします!ではでは、また次の記事でお会いしましょう!

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