#03 ソルティドックのレシピ〜塩っぱい犬って誰のこと?〜

#03 ソルティドックのレシピ〜塩っぱい犬って誰のこと?〜

本記事は元バーテンダーが、培った知識や経験を基にお酒の歴史や飲み方、カクテルの作り方などを紹介しています。また、疑問などにも対応していきますので、コメント欄にメッセージを頂けたらと嬉しいです!では参りましょう!

今回ご紹介するカクテルはロングカクテルの中でも有名な『ソルティドッグ』。グラスの縁についた塩とグレープフルーツの酸味が印象的な一杯ですね。このソルティドッグのレシピからピッタリの料理、誕生の由来を紐解いていきます!

ソルティドッグのおかげで、スノースタイルは有名になった

スノースタイルという技法を皆さんはご存知ではないでしょうか?名前は知らずとも、グラスの縁に雪が積もったように付いた塩を見れば「あ〜、知ってる!」ってなる人がほとんどだと思います。このスノースタイルという技法はソルティドッグから広まったと言っても過言ではありません。実際、ソルティドッグは1960年代に人気が爆発するのですが、当時、このカクテルよりも洒落ているものはほとんどありませんでした。

ソルティドックはウオツカとグレープフルーツといったシンプルな材料で出来ていますが、グラスの縁の塩加減で味が大きく変わるので、意外とバランスを取るのが難しいカクテルなんです。では早速、ソルティドッグのレシピを見てみましょう!

ソルティドッグのレシピ

カクテルデータ

  • カクテルタイプ:ロングカクテル
  • 作成技法:ステア
  • ベース:ウオツカ
  • アルコールの強さ:★★★☆☆
  • 色合い:淡黄色
  • 炭酸の有無:無し
  • 味わい:酸味豊かなグレープフルーツのさっぱりとした口当たりと、グラスの縁の食塩との組み合わせが絶妙。

材料

  • VODKA(ウオツカ)・・・30ml ※1
  • GRAPEFRUITS JUICE(グレープフルーツジュース)・・・full up
  • カットレモン・・・少量
  • 塩・・・適量
  • 氷・・・適量

※1 濃いめの分量であれば45ml

必要な道具

  • タンブラー
  • バースプーン
  • スノースタイル用の小皿

作り方の手順

  1. 小皿に塩を2〜3mmの厚さで均一に広げ、カットレモンでタンブラーの縁を濡らし(リム)、小皿の塩にグラスを軽く挿すようなイメージで塩を付ける(スノースタイル)。
  2. 氷をグラスの縁の塩に当たらないように注意しながら入れる(目安は6分目くらい)
  3. ウオツカを30ml(濃いめが良ければ45ml)注ぐ。
  4. グレープフルーツジュースを適量注ぐ。目安としては6分目くらい。
  5. バースプーンをグラスの底まで挿し、静かに回転させて混ぜ合わせる(ステア)。
  6. 氷が少なければ足し(目安は7~8分目くらい)、完成。

元バーテンダーが、美味しくなるちょっとしたコツとか色々教えちゃいます!

バーテンダー時代に学んだ美味しいソルティドッグを作るためのコツを伝授します!守って欲しいポイントは次の4つ。

  • グレープフルーツジュースには気を使って。市販の物であれば100%果汁の物を、可能であれば、手絞りの自家製オレンジジュースが良い。
  • スノースタイルの塩は軽く、優しく付ける。
  • 氷を入れた後、時間が経つと溶けた水が出るのでモタモタしないで作る。
  • 冷やせるものは全て冷やす。ウオツカは冷凍庫で霜が付く位キンキンに冷却する。グラスは結露してしますとスノースタイルが出来なくなるので常温にする。

ソルティドッグに合う料理は?

さっぱりとしたカクテルなので、食前酒として飲むのであればどんな料理とも相性が良いです。食中に合わせるのであれば、魚介を使った冷菜・サラダがいいでしょう。私のオススメは真鯛のカルパッチョです。淡白な真鯛とソルティドッグの塩味と酸味がベストマッチです。ソルティドッグがドレッシングやソースのようなイメージですね。

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ソルティドッグは船乗りのスラングで”甲板員”って知ってました?

ソルティドッグは1940年代、イギリスで誕生しました。このカクテルの名前を直訳すれば『しょっぱい奴』とか『塩辛い野郎』ということになりますが、これはイギリス海軍のスラングで甲板員を意味します。海沿いのバーテンダーが作ったのか、イギリス海軍の誰かが考案したのかどうかは定かでないですが、船上で塩だらけになりながら働く甲板員をイメージして作られたと言われています。

英国海軍の船

でも、どうなんですかね。私ならわざわざ汗だらけの今にも臭ってきそうな甲板員をイメージしてカクテルを作らないなぁと思います。おそらくもっと深い意味とか伝えたい事があったのではないかなと思います。もしかしたら、甲板員という言葉を通して、雄大な海、抜けるような空をイメージしたのかもしれませんね。

さて、イギリスで生まれたソルティドッグですが、ウオツカをベースにしていることを皆さんはご存知だと思います。ですが、誕生した当時、ソルティドッグのベースにはジンを使っていました。まあ、イギリスが発祥なので国民的な酒であるジンが使われるのは当然と言えば当然なんですが、それでも今のレシピで慣れている私たちにはやっぱり違和感がありますよね。

さらにベースだけでなく、ライムジュースも入り、名前も少し異なり『ソルティドッグ・コリンズ』と呼ばれたロングカクテルだったそうです。また、別の説ではライムジュースは入れずに塩を一つまみ入れ、シェークしたショートカクテルだったとも言われています。

では、ソルティドックはいつからウオツカベースの現在の形になったのでしょうか?それは、このカクテルが本格的に流行した1960年代、アメリカに渡ってからだったそうです。以前、スクリュードライバーの記事で少し触れましたが、アメリカ初の国産ウオツカ『スミノフ・ウオツカ』が製造された1930年代以降、ウオツカはバーボンウイスキーに並ぶ、アメリカ人の国民的な蒸留酒になりました。

アメリカ国産初のスミノフウオツカ

そういったことを踏まえると、おそらく、イギリスからジンを使ったレシピがアメリカに渡った際に、イギリスへの対抗心・独立心からベースを変える事になったのではないでしょうか。

ベースが変わった理由はあくまでも私の考察で本当のところはわかりませんが、現在もアメリカではマティーニを注文すると普通にウオツカベースものが出てきますし、その他のカクテルでもウオツカベースで注文するアメリカ人が多いので、あながち嘘ではないのかもしれませんね。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか?今回はスタンダードなソルティドッグのレシピを中心にその由来についてご紹介しました。カクテル名の由来が塩まみれで汗臭いの甲板員というのに皆さんは複雑な気持ちになったのではないでしょうか?

また、元々のベースがジンだったという事に驚いたのではないでしょうか?いつか現在のソルティドックの先祖『ソルティドック・コリンズ』を作って記事にしてみたいと思います!

作り方などの疑問・質問はコメント欄によろしくお願いします!ではでは、また次の記事でお会いしましょう!

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