#31 オリンピックのレシピ 〜アニバーサリーカクテルなのに由来が良くわかない??〜

#31 オリンピックのレシピ 〜アニバーサリーカクテルなのに由来が良くわかない??〜

本記事は元バーテンダーが、培った知識や経験を基にお酒の歴史や飲み方、カクテルの作り方などを紹介しています。また、疑問などにも対応していきますので、コメント欄にメッセージを頂けたらと嬉しいです!

今回ご紹介するのは今世間で何かと話題の大会と同じ名前のカクテル「オリンピック」は、オレンジの風味豊かで、飲み口のやさしさが特徴と言えるでしょう。

オレンジのフレーバーとブランデーの華やかな香りの狭間で揺れ動くカクテル!

このカクテルはブランデーをベースにしたショートスタイルのカクテルで、オレンジのフレーバーが特徴と言えるでしょう。柑橘系の材料とブランデーの組み合わせはクラシックカクテルの代表とも言えるサイドカーを見ればわかるように相性は抜群です。

ですが、このカクテルを構成する3つの材料のうち2つがオレンジ系の力強いフレーバーな為、華やかで繊細な香りのブランデーとのバランスが重要になります。少しでもオレンジが強いとブランデーはわからなくなるし、ブランデーが強いとオレンジのフレッシュな風味が消えてしまう難しいカクテルです。

現に、今のレシピは考案された当時よりもブランデーが多く、その分オレンジジュースが少なくなっているレシピになっています。(※当時のレシピをそのままオリンピックのレシピとして出している書籍やバーもあります。)この事からもレシピのバランスには苦心していたことが伺えます。

参考ブランデーと柑橘系の材料を使用したサイドカーのレシピについては下の記事を読んでみてください!

では、そんなのレシピを見てみましょう!

オリンピックのレシピ

カクテルデータ

  • カクテルタイプ:ショートカクテル
  • 作成技法:シェイク
  • ベース:ブランデー
  • アルコールの強さ:★★★☆☆
  • 色合い:オレンジ
  • 炭酸の有無:なし
  • 味わい:オレンジの風味豊かで、飲み口のやさしさが特徴

材料

  • Brandy (ブランデー)・・・25ml(20ml ※)
  • Orange curacao (オレンジキュラソー)・・・20ml
  • Orange juice (オレンジジュース)・・・15ml(20ml ※)
    ※旧レシピ

必要な道具

  • シェイカー
  • カクテルグラス

作り方の手順

シェイカーに3つの材料(ブランデー・オレンジキュラソー・オレンジジュース)と氷を加えシェイクする。

元バーテンダーが、美味しくなるちょっとしたコツとか色々教えちゃいます!

バーテンダー時代に学んだ美味しいオリンピックを作るためのコツを伝授します!守って欲しいポイントは次の4つ。

  • 冷凍したブランデーを使う
  • オレンジキュラソーは冷蔵したものを使う
  • オレンジジュースが濃縮還元の濃いものを使用する(フレッシュさを加えるためにオレンジの皮を絞っても良い)
  • シェイク用の氷は冷凍庫でしっかり凍らせたものを使う

関連するカクテル

オリンピックは2つのパリ・オリンピックのアニバーサリーカクテルだった??

今回、ご紹介のカクテル「オリンピック」は1924年の第8回オリンピック(パリ)の記念として、フランス・パリのかの有名なホテル「リッツ」で誕生しました。

世界で有名なバーテンダーであり、当時のヘッドバーマンであった「フランク・マイヤー氏」がレシピを考案したそうです。

オーストリア出身でユダヤ人の血が流れる彼は第二次世界大戦下のパリ・リッツホテルで活躍したバーマンで、反ドイツの為に暗躍したと言われています。

まるで映画の主人公のような人ですが、彼の作るドリンク、マナー、哲学はその後のバーの歴史に多大な影響与えました。

フランスバーテンダー協会の創設メンバーであり、元会長であった彼の思いは現在のフランスのバーテンダーに脈々と受け継がれています。

あなたはこのオリンピックと言うカクテルは上記の1924年の第8回パリ・オリンピックの他に第2回1900年のパリ・オリンピックを指していると記載しているものがあるのを知っていますか?

バーテンダーをしていた頃はレシピ・技術の習得・向上に精一杯だった為、気がつきませんでしたが、今回のこの記事を書くにあたって日本の参考資料やウェブに目を通すとオリンピックの誕生は1900年にパリ・ホテルリッツのバーテンダー:フランク・ヴェルマイヤー氏が考案したと書かれているものがかなりの数ありました。

私の記憶では1924年のオリンピックで考案者はフランク・マイヤー氏だったような気がしたので「あれ?記憶違いかな?」と思い、可能な範囲で調べることにしました。

第2回オリンピックは確かに1900年にフランス・パリで開催されていますので、それを記念したカクテルという可能性もありますが、フランク・ヴェルマイヤー氏の記載は”とあるレシピ本”とそれを参考にしたであろう”ウェブサイト”にしか出てきませんでした。

現存している資料からは当時のリッツのヘッドバーマンはフランク・マイヤーと記載されているものがほとんどです。

また、ホテル・リッツの開業は1898年ですが、フランク・マイヤー氏は1903年にアメリカ・ニューヨークのマディソンスクエアにあったホフマンハウスホテルのバーで修行をしており、その後、禁酒法を逃れるようにフランスに渡り、パリ・リッツのカフェパリジャンで1921年から働いているので、1900年のパリ・オリンピックのアニバーサリーカクテルと考えるのは時間的・地理的に無理があるような気がします。

なので、カクテルのオリンピックは第8回パリ・オリンピックのアニバーサリーカクテルだと言えるのでは無いでしょうか?

ちなみにフランク・マイヤー氏はオリンピックの他も様々な有名なカクテルを考案しています。その一部や彼自身がお気に入りだったカクテルを集めたアール・デコ調のデザインが美しい「The Artistry of Mixing Drinks」というタイトルの本を1936年に出版しています。現在もその復刻版を手に入れることができますので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか?今回はオリンピックのレシピを中心にその由来をご紹介しました。

オレンジの風味と華やかなブランデーの香りに包まれたオリンピックはさしずめオレンジの花といったところでしょうか?

第二次大戦中にこんなおしゃれなカクテルを作れるのはさすがリッツのバーテンダーだと言えますね。

当時、リッツにあったカフェパリジャンはもう無いですが、ヘミングウェイ・バーはあるので、

コロナ禍が収束したらリッツに行って本場のオリンピックを飲んでみたいですね。

”オリンピック”はどうなることやら・・・

作り方などの疑問・質問はコメント欄によろしくお願いします!ではでは、また次の記事でお会いしましょう!

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